ご挨拶

 脳神経外科では(1)脳腫瘍、(2)脳血管障害、(3) 機能的疾患、 (4)頭部外傷、 (5)小児先天奇形の5分野を中心に、年間約400例程の手術を行っています。脳腫瘍摘出術は約80例で、悪性脳腫瘍には、覚醒下手術、術中ナビゲーションなどの最新技術を用いて、効果を上げています。良性脳腫瘍は術中電気生理モニタリングを用いて安全確実な手術を行っており、従来摘出が困難であった脳深部・頭蓋底部の腫瘍摘出に効果を上げています。
 脳血管障害ではくも膜下出血の原因となる脳動脈瘤治療は約50例で、開頭クリッピングだけではなく、血管内治療・動脈瘤コイル閉塞も多く経験しています。その他脳動静脈奇形や、もやもや病に塞栓術やバイパス術を駆使した治療を行っています。脳内出血や虚血性脳血管障害については、Stroke Care Unitにて、脳神経内科と連携し、急性期治療や早期リハビリテーションに力を入れています。水頭症などの小児奇形疾患には早くから神経内視鏡手術を導入しています。2017年10月にてんかんセンターが創設され、難治性てんかんに関する外科的治療が始まりました。専門外来はてんかん以外に、脳腫瘍、下垂体、小児神経、脳血管内治療、運動異常症(パーキンソン病やジストニアなど)があり、それぞれの領域の専門家が担当しています。

手術成績を上げ、機能予後をよくするために、以下のような研究を行っております。

1. 低侵襲手術アプローチ研究:頭蓋底深部の病変に対する治療のより安全なルート、手術方法の開発。
2. 手術機器研究・開発:手術をより安全確実に行う手術器具の開発。
3. 手術シミュレーション研究:静止および動画の三次元画像を、手術シミュレーションに応用できるよう開発。
4. 微小脳神経外科解剖研究:より精密な脳神経外科手術が行えるよう、脳の局所の解剖の把握、研究。
5. 術中神経機能モニタリング・マッピング研究:機能温存のため、術中に電気生理学的手法を用いて神経機能の同定、評価の研究。
6. ロボット支援手術装置および手技の研究・開発:世界にさきがけ、脳神経外科手術における低侵襲を目指した手術支援ロボット(NeuRobot)の開発、臨床応用研究。
7. 悪性脳腫瘍の遺伝子解析・研究:遺伝子解析を行い、最適な化学療法を探り悪性脳腫瘍の成績向上に関する研究。

「低侵襲手術・機能温存治療」を一貫としたテーマとして取り組んでおり、手術中の神経生理モニタリングや血管造影、ナビゲーションを積極的に取り入れており、良好な成績を得ております。

村田教授