ご挨拶

聖マリアンナ医科大学脳神経外科学講座は、平成7年4月に関野宏明先生を初代教授として、第2外科学教室から独立し発足しました。その後平成15年4月に橋本卓雄先生が第2代教授として着任されました。平成25年4月より私が第3代目の教授として本講座を主宰しています。開講から約20年を経て、現在50名を越える同門の脳神経外科医が、聖マリアンナ医科大学本院、横浜西部病院、川崎市立多摩病院、東横病院、町田市民病院、横浜市民病院などの関連施設を中心に活躍しています。
私は信州大学を昭和56年に卒業し同大学の脳神経外科講座で、脳動脈瘤、虚血性脳疾患、小児脳神経外科、聴神経腫瘍や下垂体腫瘍の外科治療を専門領域としてきました。昭和63年から2年間米国ヴァージニア大学脳神経外科に留学し脳血管障害の研究に携わりました。平成19年聖マリアンナ医科大学に准教授として着任し平成21年からは教授の一人として橋本先生と二人三脚で講座の運営に関わってきました。着任以降、これまでに講座で培われた脳卒中や頭部外傷、悪性脳腫瘍などの専門領域に加え、頭蓋底外科手技や内視鏡、バイパス術、カテーテル治療を組み合わせた、高難度の脳血管障害や脳腫瘍の手術の治療成績向上に取り組んでいます。平成29年にはてんかん及び運動異常症の外科治療部門を立ち上げました。
今後も皆様のご協力を得て、聖マリアンナ医科大学脳神経外科学講座を地域でそして日本でより信頼される組織にすること、高度な脳神経外科診療のクオリティーを関連施設との良好なネットワークで築くこと、優秀な脳神経外科医を多く育成すること、学生に脳科学の面白さを伝えること、などに情熱を持って取り組んでいく所存です。本講座では、「最先端医療を駆使して低侵襲手術・機能温存治療を行う」を一貫とした治療方針として、脳血管障害・脳腫瘍・脊髄疾患などに対しての外科治療を行っています。また、高レベルの脳神経外科診療を各関連施設との連携で行うことや、多くの優秀な脳神経外科医を育成することも目標としています。

手術成績を上げ、機能予後をよくするために、以下のような研究を行っております。

1. 低侵襲手術アプローチ研究:頭蓋底深部の病変に対する治療のより安全なルート、手術方法の開発。
2. 手術機器研究・開発:手術をより安全確実に行う手術器具の開発。
3. 手術シミュレーション研究:静止および動画の三次元画像を、手術シミュレーションに応用できるよう開発。
4. 微小脳神経外科解剖研究:より精密な脳神経外科手術が行えるよう、脳の局所の解剖の把握、研究。
5. 術中神経機能モニタリング・マッピング研究:機能温存のため、術中に電気生理学的手法を用いて神経機能の同定、評価の研究。
6. ロボット支援手術装置および手技の研究・開発:世界にさきがけ、脳神経外科手術における低侵襲を目指した手術支援ロボット(NeuRobot)の開発、臨床応用研究。
7. 悪性脳腫瘍の遺伝子解析・研究:遺伝子解析を行い、最適な化学療法を探り悪性脳腫瘍の成績向上に関する研究。

「低侵襲手術・機能温存治療」を一貫としたテーマとして取り組んでおり、手術中の神経生理モニタリングや血管造影、ナビゲーションを積極的に取り入れており、良好な成績を得ております。